偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・学年だより・学級通信

眼前の10人の審査員に落とされたとしても、
11人目の誰かが見ていて、自分を分かってくれるかもしれない。
11人目の存在を信じられるかどうか、
それが私たちには大切だ(読売新聞・2014.8.8)。

中尾 隆聖さん(声優)

 テレビドラマ「それいけ!アンパンマン」の〈ばいきんまん〉、「ドラゴンボール」の悪の帝王〈フリーザ〉の声の主が中尾氏。デビューは早かった。3歳で「劇団ひまわり」に入団、5歳でラジオドラマ「フクちゃん」に出演という経歴の持ち主なのだから。

 しかし、その後は順風満帆とはいかなかった。オーディションを受けては落ち、受けては落ちを繰り返した。審査員が10人もいれば1人ぐらいはと思うが、現実は全員が見捨てる。 問題はその後の考え方、気の持ちようである。10人をすべてと考えるか、「11人目」を考えるかである。落ちても落ちても踏ん張る姿を見ている人がいないとも限らない。それは自分が創り出すもの。彼の場合、あるマネージャーが「一緒にやろうよ、おいでよ」と誘ってくれた。今の事務所の社長である。20代前半。

 しかし、それからも苦節は続き、〈ばいきんまん〉役を射止めたのは37歳の時である。この時はじめて、10人の審査員の目に止まったのだ。それは11人の審査員がいると信じて屈しなかったからである。

 そうして得た役を声で創り出す時の姿は、いつも滝のような汗を流し壮絶を極めると、共演者は口を揃える。それが〈ばいきんまん〉を「実在化」させているのだろう(後略)。

(『月刊プリンシパル』2014年10月号/ 学事出版より)


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