偉人・達人が残したもの

キャリア・デザイン、キャリア・カウンセリングという言葉にふれる機会が多くなりました。夢をもてなくなり、将来的な職業観や仕事に対するイメージが描けない子どもたちが増えているからでしょうか。人生の3分の1の時間を費やす仕事に向き合うことで、偉人・達人といわれる人々は、何を学び、どんなことを教訓として得たのか。子どもたちに職業のプロ、人生のプロがつかんだ生きることのすばらしさをメッセージとして贈るときに参考になります。 

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・学級通信・進路通信

毎日読書する子は、家でほとんど勉強しなくても、
学校の授業を受けてちゃんと寝ていれば平均点を軽く超える。
逆に読書しない子は、家で勉強しても成績に十分に表れてこない。

「東京新聞」2018.12.6)川島隆太さん(東北大学加齢医学研究所所長

 川島氏の研究チームのアンケート調査に裏付けられての発言である。仙台市教育委員会も協力、平成22年から仙台市の小中学生7万人に対して行ったもの。内容は平均1日の読書時間と、国語・算数(数学)・理科・社会の4教科の平均偏差値との関係について調査している。

 勉強と睡眠時間の長さで3グループに分類。勉強が「30分〜2時間」、睡眠が「6〜8時間」のグループでは、読書時間の長い子ほど平均偏差値が高い。しかし、勉強が「2時間以上」の子でも、読書をまったくしない子は、読書をわずか「10〜30分」する子に比べて偏差値が3.2及ばないという結果が出ている。

 だが、睡眠時間を削っての読書は勧められない。1日の読書時間が2時間以上の子は、2時間以内の子より平均偏差値が低い。睡眠時間の正常な確保が重要な要因になっている。

 では、どうしてこういう結果が生まれるのか。脳科学者の川島氏は、「読書が脳の前頭葉の発達を促すことの影響だ」と。黙読中の脳をMRIで撮影すると、物を見たり文字を理解したりする場所だけでなく、理解や状況判断、抑制など人間らしい合理的な判断をする場所、つまり前頭葉の「前頭前野」もが働いているとのこと。
 学校の「朝の読書」の成果が聞かれるようになった背景には、このような根拠があるようだ。

(『月刊プリンシパル』2019年2月号、この人 この言葉/ 学事出版より)


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