子どもをやる気にさせる話

子どもがやる気を出すとき、その意欲の源となるのは夢と希望です。「あんなふうになりたい」「こんなことをやってみたい」という夢みる力と、「ボクにもできる」「ワタシだってやれる」という希望を子どもたちにどう与えるか。
そのヒントがギュッとつまった話をご紹介します。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学校だより・学年だより・学級通信

頑張らない頑張り方

内山利彦(元公立小学校校長)

今日はみなさんとある言葉について追究してみたいと思います。それは普段何気なく使っている「頑張ろう」という言葉です。周りの人たちから何度か言われたことがあると思います。また、部活動の試合などを控えた友だちに「頑張れよ」と声をかけたこともあるでしょう。(中略)

「頑張れよ」と言われて、そうか、友だちも応援してくれていることだし、全力を出してそれに応えよう、という場合は全く問題ありません。
しかし、人生うまくいく時ばかりではありません。なかなか思うようにいかない、また失敗してしまった、一体どうしたらいいのだろうか、疲れてしまって体が思うように動かない等という時があるはずです。
そんな時、周りから「頑張れよ」という言葉を次々とかけられると、それが負担になって益々つらくなる、ということはないでしょうか。温かい励ましのつもりが実はプレッシャーとなって友だちを苦しめる場合があるとしたら、少しみんなで考えてみる必要がありそうですね。

一体どうしたらいいのでしょうか。一つは「善意で言っているのだから何を言っても良いだろう」というのではなく、自分の気持ちが相手にうまく伝わっているかなという観察、この言い方で良いかなと振り返る配慮が必要なのではないでしょうか。

次に大事なのは、「頑張ろう」の言葉を自分にプラスになるように理解する工夫をすることです。朝、出がけにお母さんが言った「今日のテスト頑張ってね」の言葉を、「必ず90点以上取らなければ駄目よ」という意味らしいとするとプレッシャーになるだけで、ことによると学校に行きたくなくなるかもしれません。

しかし、あれは「自分らしく楽しんでやってらっしゃい」という意味だと気軽に理解すればどうでしょうか。友だちも「絶対勝たないと駄目だぞ」という意味で言っているのではないようです。いい結果になると良いね、応援しているよ、力が出し切れると良いねという意味に捉えたら、その言葉によって追い詰められる、どんどんつらくなるということはないのではないでしょうか。先生は「前向きで行こうよ」というくらいに捉えるのが良いのではないかと考えています。

(『月刊Principal』2009年12月号 /学事出版より)


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