子どもをやる気にさせる話

子どもがやる気を出すとき、その意欲の源となるのは夢と希望です。「あんなふうになりたい」「こんなことをやってみたい」という夢みる力と、「ボクにもできる」「ワタシだってやれる」という希望を子どもたちにどう与えるか。
そのヒントがギュッとつまった話をご紹介します。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学年だより

世界は一冊の本

長田 弘(詩人)

「世界は一冊の本」という詩を、詩人の長田弘さんが書いています。紹介しましょう。

本を読もう。
もっと本を読もう。
もっともっと本を読もう。

書かれた文字だけが本ではない。
日の光り、星の瞬き、鳥の声、
川の音だって、本なのだ。

 このあと、もっと詩は続きます。ウルムチ、シカゴ、マヤ……時間や空間を超えて、いろいろな地名が出てくるのです。大都会や古代文明が栄えた地。一度は行ってみたいですね。そんな土地のどこもかしこもが、本でつながっているという発想なのですから、ずいぶんとスケールの大きな話ではありませんか。

遥かな国々の遥かな街々も、本だ。
そこに住む人びとの本が、街だ。
自由な雑踏が、本だ。

人生という本を、人は胸に抱いている。
一個の人間は一冊の本なのだ。

 さて、こう考えると、みなさん自身の読書体験も、世界とつながりをもつことになるのですよ。今は秋真っ盛り。空気も澄みわたって、読書には最適の季節です。どうぞ、いろいろな本との出会いを大切にしてほしいと思います。

(『子どもたちに詩の心を伝える講話』小金澤豊著/学事出版より)


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