担任から子どもたちへのメッセージ

公立中学校教師歴35年、学級担任歴27年の経験をもち、1960年から学級通信を出し続けてきた山田暁生さんによる「通信で伝える希望のメッセージ」。子どもたちが「自分の居場所」を確認でき、「自分への期待感」がわき上がり、「未来への希望」がもてるようなメッセージの数々は、実体験の深みがあり、子どもたちへのプレゼントのような温かみがあります。通信やお知らせの囲み記事、空きスペースを有効活用するために使えます。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学年だより・学校だより

生きる力に圧倒された砂漠の旅

 中国のタクラマカン砂漠500kmを縦断する機会があった。前後左右見渡すかぎり灰色の砂漠だ。縦断する途中ですさまじい風景の森に出会った。  そこには胡楊という大木の森があり、あるものはポキリと折れ、その折れ口が大空に向かって死を前に大声で泣き叫んでいるように見えた。十数メートルに成長し、これからが私の「人生」だと強い砂漠の砂嵐にも平然と立っている若木もある。

 ガイドの話では「まったく水がないこんな砂漠でも、かすかな水分も無駄にせず、吸収して、何千年もかけて一生を全うする木なんです」ということだった。

 砂漠の果てでポプラ並木の道に入った。立派な並木だ。この木たちは砂漠の地中深く水があるところまでグングン根を伸ばし、そこから水を吸い上げて、成長していくとのことだった。地中深くしっかり根を下ろしているので、砂漠から横なぐりの強風をいくら吹きつけられてもビクともしないらしい。私はこの「生きる力」に驚愕し、自分の弱さを思い知らされた。

 アフリカはナミブ砂漠へ行った時だった。そこには「奇想天外」と名のつく植物があって、3000年は生きるというまさに奇想天外な長生き植物だ。地上に出ている部分は、500歳ものでせいぜい高さが50cmぐらいだが、なんと根は地中深く水のあるところまで十数メートルも伸びているということだった。

 生き抜くために、そんな見えない努力をしていることを学んだ旅だった。

(『クラス担任が子どもに贈るハッピーメッセージ』山田暁生著/学事出版より)


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