担任から子どもたちへのメッセージ

公立中学校教師歴35年、学級担任歴27年の経験をもち、1960年から学級通信を出し続けてきた山田暁生さんによる「通信で伝える希望のメッセージ」。子どもたちが「自分の居場所」を確認でき、「自分への期待感」がわき上がり、「未来への希望」がもてるようなメッセージの数々は、実体験の深みがあり、子どもたちへのプレゼントのような温かみがあります。通信やお知らせの囲み記事、空きスペースを有効活用するために使えます。

<ご利用にあたって>
以下の文章を通信に引用される場合は、文末にある出典(書名・著者名・出版社名)を明記して下さい。


対象学級通信・学年だより・学校だより

良きライバルと楽しい競争

 競争したり、競争心をかき立てたりするのは良くないことだと言う人がいるが、私は決して悪いことだとは思っていない。
 競争といえば、「ウサギとカメの競争」の話を思い出す。麓から山頂を目指して、どちらが先に頂上に着けるか競争しようとスタートした。だれが考えても、ウサギとカメではウサギが速いに決まっている。こんなの勝負になるわけはないだろうと思うはず。ところが、カメが勝つという話だ。

(中略)

 要するに、着実な歩みをし、努力を惜しまず続けたものが最後には勝つと言いたいのだろう。
 人間社会をよく表した話のように思う。確かに、人間の社会には、笑顔で優しい言葉をかけながら、足では相手を蹴落とすようないやらしい、時には、残忍なことさえして競争に勝とうとする状況もある。そのような競争を私は是認し、賛美する気はないが、良い意味で、競争は必要ではないかと思う。
 人間には誰しも向上心がある。もっとやろうという意欲も持てる。だから、ひとつの刺激剤として、競争を取り入れてよいのではないだろうか。

 私は高校時代にとてもすばらしいライバルに出会った。べつに、「あいつに負けてたまるか」というのではないが、向上し合うことがとても楽しかった。自分が分かったことを相手に教えてやるのも楽しかったし、相手がよく分かったことを「これ知ってるか」と教えてくれたのも楽しい思い出となって今も残っている。お互いに良い意味でのライバルになれたお陰で、その頃とても力がついたと思う。けちな根性を持って競争するのはすすめられないが、「一緒に頑張ろうぜ!」と伸び合い、伸ばし合いをするなら、競争は大いに取り入れてよいと思う。

(『クラス担任が子どもに贈るハッピーメッセージ』山田暁生著/学事出版より)


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