学級通信なんでも相談室

第12回
効果的な「見出し」の付け方は?

通信の記事に良い見出しを付けたいけれど、「本文を書くのに手一杯で見出しの推敲まで手が回らない」「どうやったら良い見出しになるのか書き方のノウハウを知りたい」という声が寄せられました。今回は、どうすれば効果的な見出しが付けられるかを考えてみたいと思います。

「見出し」は、作文の「題」ではありません。先生方から送られてくる通信を拝見すると、たしかに「題」か「ほとんど題」と言ってよいような見出しが少なくありません。せっかく素晴らしい内容の記事を書いても、見出しが適切でないために読まれないという事態さえ起きかねません。見出しは記事の「顔」であり「看板」です。読み手の興味関心を引きつけ、本文へと導く「案内役」でもあります。
見出しの役割は、
 見出しの大小や粧いで、記事の重要度の軽重を知らせる。大事な記事は、本文の長さに関わらず大きく目立つように書く。
 読者に「おっ、これは」と、読みたいという意欲を起こさせる。
 紙面全体に、リズムや変化をつけ、美しく読みやすい紙面をつくる。
 一目見て、記事の概要が分かる。(記事の最も簡潔な要約となっている)

このような役割を存分に果たす「見出し」の付け方は、実際難しいものです。一般紙の見出しは、簡にして要を得たよい見本と言えますが、これは「整理部」という専門の部署のスタッフが、毎日頭を捻って創りだしているもので、私たち素人が容易にマネのできるものではありません。でも、「こうすれば、より良い見出しになるだろう」という一般的な原則はあります。素人は素人なりに、楽しく読みやすくインパクトのある見出しづくりにチャレンジしてみたいものです。

①要点をズバリ書く。― その記事の中で一番言いたいこと、最も重要と考えることを簡潔に表現します。本文の中の「キーワード」を使うことがポイントです。

②具体的な事柄を表現する。― 「具体的」とは、「こと」「人」「時」「場所」「量」などが直接分かるということです。固有名詞や数字を使ったり、その場の情景が目に浮かぶような表現を心掛けるとよいでしょう。

③長すぎず短すぎずリズムを持って。― 見出しは「見た目」と「語呂」が命。目で見て楽しく、声を出して読んだとき心地よいリズムがあるのが良い見出しです。字数は、一般的に言って8字から15字ぐらい。いろいろな内容を盛り込みたいときは、主見出しの他に、「副見出し」「脇見出し」や文中に「小見出し」などを付けて補う。漢字ばかりは避ける。名詞止めを多用しない。重複した言葉・内容は書かない。倒置法や助詞(てにをは)の効果的な使用。時には「ことわざ」「言葉遊び」「ダジャレ」的な表現を取り入れるなど、「今度はどの手でいこうか」と工夫するのも、通信作りの楽しみの一つになるのではないでしょうか。

例えば、「春の遠足」よりも「遠足 無事終了」、それより「雨にも負けず 全員完歩!」の方が具体的で訴える力もあるでしょう。

第2回「育て!プリントコミュニケーション」コンクールに応募された学級・学年・学校通信の中から、私なりに「こういう見出しはいいな」と思えたものを紹介しますので、参考にしてみてください。(一部表現を変えました)

「朝ごはん抜くと脳が働かない。しかも肥満の原因に!?」

「夢の赤見レストラン開店中」  

「317人にサクラサク」

「文章題嫌いは高学年の課題?」

「世界一幸せな担任だよ・・・」     

「伝説の記録72回を達成!」          

「1-3は勉強ブームか?」

「夏だ!プールだ!」            

「窓を開けると 何が見えるかな?」

「ヤギの名前決定!“ナナ”と“しろん”」    
「おみごと!3年生初日の宿題 全員提出」
「どう使う960時間 夏休み5つの敵」       
「立つ鳥跡を濁さず」
「猫は“悟り”を開いているか?」         
「さあ、第2ステージ!実りの秋にしよう」
「笑顔いっぱい 12人でスタート」   
「“先輩”と呼ばれるにふさわしい自分になろう!」
「NO.1より 特別なONLY1へ」     
「教室をびっくり箱にしよう」
「スイスイ 水の探偵団」          
「オスヤギのヒミツをさがせ!」
「女バス準決勝○○に辛勝 第4Q一気に引き離す 監督“苦しいのもいい経験かな”」