第9回「プリントコミュニケーションひろば」最優秀賞受賞者インタビュー

学級通信は学級経営に欠かせない一つのツール
一人一人の子どもたちの良いところを取り上げたい

愛知県岡崎市立三島小学校 浅井 優子先生

制作データ 紙面のサイズ:A4/毎号のページ数:1枚(両面)/モノクロ印刷/発行部数:37 部/発行間隔:週に1回~2回/配布対象:主に学級児童・保護者

――まずは受賞のご感想をお願いします。

 応募は今回で4回目。全体のレベルの高さはよく知っていましたから、最優秀賞受賞の知らせが届いた際には、「どうして自分が」と、ただただ驚きました。入賞作品集の講評などを参考に、研究を重ねた成果かもしれません。

 

――非常にダイナミックなレイアウトですね。さらに手書き独自のぬくもりも感じます。

 中学生の頃、美術の先生が書いた通信を読むのが楽しみでした。手書きのイラストなども載った、とても温かさを感じる通信だったんです。その影響が大きいですね。私自身も、図工・美術が専攻。恩師のように温かみのある通信を書きたいと、教師になって以来、毎年制作しています。
   パソコンを使った方が制作時間は短縮できるかもしれませんが、手書きの方が自分の思いが伝わりやすい。さらに、子どもたちも楽しみにしてくれていますから、それがまた励みになるんです。

――先生が考える通信の役割は?

 通信は学級経営の一環だと捉えています。ですから、なるべく子どもたちのいいところを取り上げ、一人一人を褒めてあげるためのツールとしても活用しています。
 こだわりのコーナーは、「友達スケッチ」。「○○さんは、毎朝、元気よく挨拶してくれます」といったように、友だちの良いところを見つけ合い、共有するコーナーなのですが、これを設けることで、クラス全員の良いところを認め合える学級へと成長しました。

――通信をつくる上で心がけていることは?

 最も重視しているのは多くの子どもの名前を掲載すること。直近の号なども見ながら、全員の名前がまんべんなく載るように気をつけています。子どもたちも、自分のことが載っていると、熱心に読んでくれます。あくまでも子どもたち向けの通信なのですが、保護者からも「学級全員を大切に思ってくれている」と、うれしい反応をいただいています。

――これからの抱負を教えてください。

 私にとって、通信を書くことは、「自分はどういうクラスをつくっていきたいのか」「理想のクラスをつくるには、どういう支援をすべきなのか」という、日々の課題や目標を確認するための大事な機会でもあります。これからも、学級経営の一つの手段として、週1回の通信づくりを続けていきたいですね。

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