第6回「プリントコミュニケーションひろば」最優秀賞受賞者インタビュー

通信は、学校と家庭・地域のパイプ役。
目指してきたのは読み手を意識した紙面づくり

たつの市立小宅小学校 田中 一典先生

制作データ 紙面のサイズ:B4/毎号のページ数:2ページ(表裏)/モノクロ印刷/発行部数:1300 部/配布対象:保護者、近隣の学校園、教育委員会、民生児童委員、自治会長、地域の公民館など

――受賞のお気持ちをお聞かせください。

 私が作品を応募しているのは、賞を狙ってということではありません。毎回、選者の方から講評をいただき、課題を教えていただく。それを出来る限り取り入れて、少しでも上達したい。そう思って応募してきただけです。そんな私が、このような賞を受賞することになって、ただただ恐縮しています。

――学校における「通信」の役割についてはどのように考えていらっしゃいますか?

 学校と家庭と地域のパイプ役ではないでしょうか?「校報おやけ」は、自治会や公民館にも配布しています。そのためか、お子さんがおられない方など、普段は学校と接点を持っていらっしゃらない地域の方も、学校の出来事をよくご存じです。昨年はインフルエンザが兵庫県で大流行しましたが、校報でもたびたび取り上げたおかげで、学校の対応に多くの方が理解を示してくださいました。
 中には、記事を見て「困っていることがあったら、お手伝いします」とおっしゃる方も出てきました。それがうれしいですね。

――どういうことに気を付けて通信を出していらっしゃいますか?

 自分本位にならずに、読み手を意識した通信を目指しています。保護者や地域の方々が、学校に何を求めているのかを考えて紙面をつくっています。
 他に大事にしていることは、月2回のペースをしっかり守るということ。私の座右の銘は「本物は続く、続けると本物になる」。子どもたちにも、日頃から言い聞かせていますから、私としても手が抜けないですね。

――手書きの温かみが伝わってくる紙面です。

 私が通信を書き始めたころはまだガリ版の時代。ちょうど第一次オイルショックの時代でした。学校から「紙を使うな」との指示が出ましたが、若い私はどうしても通信を出したいがために、自腹を切って、紙を調達したものです。
 今では、仕事上、パソコンは日々使っていますが、通信はやはり手書き。初心忘るべからずではありませんが、あのときの気持ちのままで書きたいと思い続けているんですよ。カットなども自ら考えて描きますが、ペンを持って、一つずつつくりあげていく過程が好きなんです。

――今後の抱負をお聞かせください。

 来春退職しますが、学校からの発信はできなくても、家庭や地域からも通信は出せます。ぜひ、コミュニティ新聞のようなものを出していきたいと考えているんです。

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