ブックタイトル季刊理想 Vol.130

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概要

季刊理想 Vol.130

現行の小学校国語教科書に載っている物豆太の行為は、臆病ではなく、真冬の大仕事をした後の安心感からくる「甘え」視点ということだね。宮沢賢治作品は、じゃないのかな。初雪のふる日」で言えば、雪兎の側からの「やまなし」が川底からのカニの視点であっA「像的・劇的視点から、Bは、物語の虚構の方始めました。語を中心に、ABCの三人がクラブ活動をAは、物語をアニメ映画化するなどの映兵庫教育大学名誉教授中洌正堯み・重ね読みによって新たな世界を形成す法をメタ認知する視点から、Cは、比べ読冬の活動報告る視点からの発言です。「モチモチの木」(斎藤隆介)言葉の歳時記●27A劇Ⅰ的視点から爺はじ、豆太が寝てしまった後、Ⅱぎの手ぬぐいま日で」(差し出してしまう。こ日れ」はで生は命、力子の供象を魔徴救。う〈やど草り。「ぎ。B物語では、人物の成長(変容)が問題になぶというふうに。るよね。豆太の場合、相変らず医者様が何を脚色したい。医者様は豆太のしたことを客観的に語り、爺さまは豆太の成長を喜爺さまを起こしたことで、成長してないんさまに話したか、それを、しょんべんに物語読みクラブじゃないかという読み方もあるみたいだね。●なかすまさたか1938年、北九州市生まれ。兵庫教育大学名誉教授。元兵庫教育大学学長。国語教育探究の会・国語論究の会顧問。国語教育地域学の樹立を目ざし、「歳事(時)記的方法・風土記的方法」を提唱する。著書に『国語科表現指導の研究』(溪水社)、『ことば学びの放射線』(三省堂)ほか。A表向きにころっと変わらないところが、この事件の前は、語り手の言うように臆病なせいかもしれない。けれど、事件後の年齢らしいところ、豆太らしいところという気がする。医者様を呼びに行くC豆太が霜の半道をはだしでひたむきに走B女の子が、石けりの続きに、いつのまにかC雪の世界に引き込まれたり、閉じこめらB登場人物が、一心に、ひたむきに行動する(宮沢賢治)があるね。一人の子供をめという点では、「かさこじぞききょうこ)の爺さまもそうだね。地蔵様の寒さを防ぐために、自分の継ぎはの側の葛藤が描かれる。いやなぞなぞによって、なんとか危機れたりしそうになる話で、雪の世界のは、凍死しそうになっている鳥たちを疾走するる、ちょっとこわい話だね。春のる行為は、同じ作者の『天の介)のぐって、を脱するけれどね。側から描いたものに、「水仙月の四日」代表して、雲雀が太陽のかけらを取りに行き、春をもたらすという話。「初雪のふる雲雪ひばり雪雀の行為に似ている。こちらゆきうさぎゆきば婆んご、兎たちの流れに引き込まれ雪安房直子)ゆきわらし童子、う」(雪笛』(ゆきおいの狼の自然いわさ蓬斎藤隆よもぎの呪まじなBそうそう「氷の鏡」は、作品上の仕掛けをAドラマの小道具にも要注意!だねCその視点に関わることだが、雪で遭難しその窮地を救うものとして、〈よもぎの葉〉づきだけがある。これはたり、「水仙月の四日」では天空からの雪品に、「うになった人物の臨死体験を想定した作読み解くのもおもしろいよね。仕掛けの気童子の視点であったり、自在なんだよね。氷のど、「鏡」(初雪のふる日辻邦生)があるね。まよ除けの」では、女の子水仙月の四〉がある。季刊理想2018冬号◆7