ブックタイトル季刊理想 Vol.130

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概要

季刊理想 Vol.130

「はがき新聞福山」大学初人間文化挑学部教戦授小原友「幕末の日米交流物語?ジョン万次郎とラナルド・マクドナルド?」の授業を試みた。私自身を訪問して、十三?十四歳のクラスで、単元にとっては、米国でのNIE初挑戦であった。たジョン万次郎と、漂流した鳥島で彼を救出しグリーンビル市にあるC・M・エッペス中学校る。一つは、日本人に「アメリカ」を初めて伝えあこがれて捕鯨船の乗組員になり、北海道の利米国で学ばせた捕鯨船のホイット・フィールド尻島に上陸したが、密入国の罪で長崎に移送さハリケーン直撃直後の米国ノースカロライナ州船長との交流物語である。もう一つは、日本にれ、座敷牢で最初の英語教師となったラナルド・マクドナルドと、森山栄之助を代表とする十四する研究の一環として、本年九月下旬に、大型名の彼の弟子たちとの交流物語である。十三?る多文化間イシュー教材の日米協働開発」に関「『グローバル・パートナーシップ』を育成す教材としたのは、日米交流の二つの物語であ「英語」「日米交流」「冒険心」など)の発見とで作成することであった。手元には、当日の授業風景の写真と作成されムス」と「マクドナルドポスト」の新聞を英文わらず、生徒たちは熱心に聞いてくき新聞」も意欲的に作成してくれた。筆者の本での準備段階のA4判両面の「万次郎タイ作成という、三つの活動を中心に展開した。その背景の熟考、3個人での「はがき新聞」の物語に共通するキーワード(例え一番苦労したのは、当日の授業ではなく、日交流物語の紹介、2グループに分かれてのらを取材し、それを新聞記事として発信するを超えて、およそ一七〇年前の十九世紀半ばという設定で行った。具体的には、1二人のの日本・米国にタイムマシンで移動して、彼あったからである。流したのち、世界と出会ったのが十四歳でたどたどしい英語での授業であったにも関授業は、生徒が歴史新聞記者となり、時空捕鯨船」はがと考えた自分自身の姿が嬉しかった。ることができたし、そのような挑戦をしようであったが、生徒たちと楽しい時間を共有す界の歴史的状況に関する認識の少ない生徒たな収穫であった。しかし、十九世紀半ばの世起したようで、効果的な授業となった。カロライナ大学の歴史クラスの学生にも同じしれない。なお、頼まれて、現地のイーストう手ごたえを得ることができたことは、大き航の背景を考える事例として興味・関心を喚ちにとっては、少し難解な授業となったかもき込むことは、日米共通して有効であるとい人物の学習であったにも関わらず、ペリー来ラスト、記事や意見・考えなどを短時間で書授業を試みた。こちらのクラスでは、未知のた十五枚の「はがき新聞」がある。それらを見ながら、はがき大の紙面に題字、見出し、イ今回は、六十七歳にしての米国での初挑戦十四歳のクラスで授業をしたのは、万次郎が漂れ、「ば、「米国中学生に行小原友行(こばら・ともゆき)1951年、広島県尾道市瀬戸田町生まれ。高知大学で7年間、母校広島大学で31年間勤務。現在は、福山大学人間文化学部教授・広島大学名誉教授。著書に、『初期社会科授業論の展開』『情報読解力を育てるNIEハンドブック』など。専門は、社会科教育学およびNIE学。全国社会科教育学会会長、日本NIE学会会長などを歴任(現在はすべて顧問)。数少ない趣味は、落語鑑賞と世界のチルドレンズ・ミュージアム見学。2◆季刊理想2018冬号