ブックタイトル季刊理想 Vol.126

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概要

季刊理想 Vol.126

はじめに特別の教科道徳(以下「道徳科」)の特質は、目標から導き出すことができる。道徳科は、児童一人一人がねらいに含まれる道徳的価値についての理解を基に、自己を見つめ、物事を多面的・多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める学習を通して、内面的資質としての道徳性を主体的に養う授業である。ゆえに、1道徳的価値の理解を図る2自己を見つめる3多面的・多角的に考える4自己の生き方について考える、これらの機能を学習指導過程に位置付けることが特質として重視される。道徳科の特質の理解◆道徳的価値の理解を図る道徳的価値の意義や大切さを実感を伴って理解することである。また、人間の弱さや他者の考えや感じ方なども併せて理解していく。◆自己を見つめる道徳的価値を自分のこととして受け止め、これまでの自分の経験やそのときの考え方、感じ方と照らし合わせながら、自分の有様を誠実に知ることである。◆多面的・多角的に考える他者と対話しながら多様な価値観にふれることで自身の価値観の深まりや広がりを図ることである。◆生き方についての考えを深める自分の有様を振り返ると自然に見えてくる伸ばしたい面や課題を認識し、よりよい生き方を考えることである。授業実践の紹介○実施学年小学校第2学年○主題名「とらわれないで」○内容項目C「公正、公平、社会正義」○ねらい誰に対しも、自分の好き嫌いにとらわれないで接しようとする心情を育てる。○教材名と概要「山びこ村の二人」(東京都道徳教育教材集)働き者の五郎と、村での畑仕事がうまくいかない平八。五郎は村人から頼りにされているが、平八はよく思われていない。ある日、村を訪れた殿様が、五郎の働きに感心して褒美を贈る。五郎は村のみんなと分け合いたいと言い、宴が開かれる。そこに平八の姿がない。村人に尋ねると、「村で役に立っていないから」との理由で呼ばなかったことがわかる。それを知った五郎は、「みんな」でお祝いしたいから「それはいやだ」と言って平八を迎えに走る。平八は宴にやってくる。自然に、楽しい雰囲気が広がる。これを機に、平八は人が変わったように得意な魚釣りを活かして村人のために働き出す。二人の働きで村は前よりも心豊かになった。聖徳大学大学院教授吉本恒幸先生道徳の特質を活かした授業実践にして、道徳科の特質を活かした具体的な授業の展開を考えます。季刊理想2017冬号◆3