ブックタイトル季刊理想 Vol.125
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季刊理想 Vol.125
第 7 回 理想教育財団教育フォーラム 学級力向上プロジェクトを初めて実践する先生方にとって、「初めの1時間をどう導入するか」は大きな課題でしょう。そこで、1時間完了の「お手軽学級力導入プラン」をご提案します。 話し合いの目的やまとめ方までの流れ・時間設定を示した「話し合いマニュアル」を基にすることで、話し合い活動の指導が苦手な先生でも、無理なく、負担なく始められるプランです。 ポイントは事前に学級力アンケートの結果を生徒に開示した上で、3つの視点(「いいね!」「何とかしたい!」「ここで貢献したい!」)を基に、ワークシートに考えを整理させること。これにより、話し合いの内容が深まるとともに、繰り返すことで生徒は話し合いの「型」を身につけることができます。最後に、みんなに最も伝えたい内容を一つ選び、付箋に書いて、関連するレーダーチャートの付近に貼りつけることで終了です。『これなら安心?お手軽学級力レシピ』■シンポジスト琉球大学教育学部附属小学校教諭 新垣 寿志先生知立市立八ツ田小学校校長 原田 悦子先生鳥取市立千代南中学校教諭 鈴木 洋一郎先生広島市立矢野中学校主幹 神垣 幸一先生品は教室に掲示することで、子どもたちの考えの共有も進みました。原田 学級で取り組みを 行 う 前に、「自分はこんなことを頑張りたい」という 意 思 表 明や、行事等に取り組んだ過程を認め合う際に活用すると効果的です。学級のみんなに向けて書くことを明確にするために「?よね」というように、語り掛けるような語尾にする工夫も行いました。鈴木 さまざまな取り組みの前後に、はがき新聞や壁新聞の制作に取り組みました。生徒会の学習委員会委員長が書いた「学習委員会新聞」をきっか け に、「学 習 クイズ大会」が開かれるなど、新聞制愛知県尾張旭市立旭中学校彦田 泰輔先生作が具体的なアクションにつながった例もあります。神垣 はがき新聞はスマイルアクションの柱の一つ。前任校ではスマイルタイムの後に、必ずはがき新聞を作成していました。はがき新聞を書くことによってクラスと向き合えたという感想も生徒から寄せられました。実践が生んだ教育効果田中 最後に、学級力向上プロジェクトの効果やメリットについてもお聞かせください。新垣 学級力を高めるには、担任だけが取り組んでも効果は出ません。子どもたちと一緒に考え、学級づくりに向かっていくプロセスが素晴らしいと思います。研究を深めながらこれからもプロジェクトを進めていきたいですね。原田 研究主任を中心に、校内のミドルリーダーが育ってきたことに加えて、ベテランの先生も今までの指導法をふり返る機会となりました。また、若手はミドルリーダーから直接指導を受けて成長しています。うれしいことに、教室徘徊などの問題行動を起こす児童もいなくなりました。鈴木 本校の教育目標は「なかまづくり 自分づくり」。学級力向上プロジェクトによって、「なかまづくり」が進んできたほか、その一環ではがき新聞に取り組むことで「自分づくり」も育まれています。神垣 前任校では学級力向上プロジェクトを生徒が高く評価していること、また、教職員の学級づくりに対する意識向上にもつながっていることが各種アンケート調査で分かりました。また、暴力、いじめ、不登校の激減、学力の向上などの効果も見られました。6 ◆ 季刊理想 2017 秋号