ブックタイトル季刊理想 Vol.125

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概要

季刊理想 Vol.125

実践提案 子どもたちが抱く何気ない疑問を大事にしながら、学級の力を高めていく。そこに、私は学級力向上プロジェクトの特徴があると考えています。 学級力向上プロジェクトは「RーPDCA」に沿って活動が進められますが、このサイクルの回し方は先生方に任せられています。昨年度末に、学級力向上研究会関西部会を立ち上げましたが、この部会で活動をされている先生方も、「笑い」を取り込んだり、特別支援的配慮に努めたりと、それぞれの学級・学校の独自性を生かした取り組みを進めています。 関西部会では、学級が変わっていくことを楽しむこと、はがき新聞を通じて一人一人の意見や考えを大切にすること、そして、「学級共和国」としてみんなで創る喜びが感じられるクラスとすること。この3つの考えを大切にしながら、研究・実践を積み重ねていきます。関西ならではの学級力の良さを伝えていきます。『学級力向上プロジェクトとはがき新聞の活用』ー楽しくなければ学級じゃないーシンポジウム『はがき新聞で高める学級力』■コーディネーター早稲田大学教職大学院教授 田中 博之先生学校を挙げて学級力向上プロジェクトを推進田中 子どもたちが主体的に学級をよりよくしていく力である学級力を、はがき新聞を通してどのように高めていけばよいのかをテーマに議論を深めていきたいと思います。まずは、各学校で進められている学級力向上プロジェクトの内容、特徴についてお話しください。新垣 昨年度から、特別活動の視点を生かした学級力向上プロジェクトを全校体制で進めています。各学級でつくる「生活づくり目標」に基づいた「生活づくりアンケート」は5項目を作成していますが、そのうち3項目は、子どもと教師で話し合いながら決定しています。さらに、毎月1回実施するアンケートを基に、課題の改善に向けて学級会で話し合い活動を行い、具体的な活動につなげています。原田 昨年度、先行的に実践した教員の取り組みを生かしながら、今年度は全クラスで学級力向上プロジェクトの実践を行っています。スマイルタイムを毎月第1週の朝の活動の時間に設定することで、授業時間を利用せずに、活動時間を確保できました。話し合いの進め方マニュアルを整備したことで、どの教員も安心して取り組むことができています。鈴木 生徒総会での生徒会執行部の提案を基に、生徒が主役になって、学級力アンケート、スマイルタイム等を各クラスで実施しています。また、アンケート結果を生徒会執行部が分析し、具体的な改善活動につなげています。さらに、各クラスの共通の課題を学校全体の課題として取り組む「学校力向上プロジェクト」も実施しています。神垣 荒れていた前任校の立て直しの柱として、学校を挙げて3年計画で学級力向上プロジェクトを推進しました。生徒間の人間関係づくりはもとより、安全・安心な学習環境を整えることで、確かな学力の定着を図りました。教師の負担が増えないよう、研修を充実させながら、統一した方式で進めたことで、スムーズにプロジェクトを進めることができました。はがき新聞を効果的に活用田中 はがき新聞を学級力の向上に向けて、どのように活用されましたか。新垣 独自に作った「はがき新聞活用カード」を活用しながら、はがき新聞の機能を子どもたちと確かめた上で、作成しました。主に生活づくり目標の完成時や活動の振り返りなど、「Research」や「Check」の場面で活用しました。完成した作プール学院大学 准教授 今宮 信吾先生季刊理想 2017 秋号 ◆ 5