ブックタイトル季刊理想 Vol.125
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季刊理想 Vol.125
No.1No.2No.3No.4No.5 今福先生が昨年1年間で実施した同プロジェクトの活動は計5回に上りました。そのたびにスマイルタイムを通じて、子どもたち自身が決定・実践した学級ルールは、いずれも実効性の高いものばかりでした。中でも効果的だったのが「生活」面の改善のために実施した「廊下パトロール隊」です。当番表を作って、持ち回りで見回り活動を行うとともに、1週間走らなかった人には金曜日の「終わりの会」で表彰。廊下を走る子どもはぐんと減りました。さらに、3学期には1年間の締めくくりとして、「わたがしの約束」(悪口を言わない、立たない、ガチャガチャしない、しゃべらない)を実践。最後のレーダーチャートの数値を上げようと、みんなで懸命に取り組みました。 このように漠然と目標を立てるだけでなく、目標に向かっての具体的な手だてや工夫をみんなで決めることで、子どもたちの自覚と実行力は一段と高まりました。加えて、取り組みの実施後は、スマイル・アクションの一環として、はがき新聞を作成。実践の振り返り、考えの整理、気運の向上につなげました。 効果はそれだけではありません。スマイルタイムを繰り返すことで、「普段発言をしなかった子どもも学級への意見を積極的に出すようになりました。それぞれの子どもたちが大事にしている思いを把握できた価値は大きかったです」と今福先生は振り返ります。1年間で驚異的な成長を遂げる 自分たちが主体的に考え、実行した取り組みによって、学級力は著しく向上。2学期以降はアン学級力向上プロジェクトの一環として作成したはがき新聞学級力向上プロジェクト実践校紹介 ?ケートを実施するたびに、レーダーチャートの数値が向上し、最後の5回目はこれまでで最も点数の高いグラフとなりました。 1年間の取り組みを振り返って、今福先生は「子どもたちが学級の問題を、自分のこととして主体的に考え、取り組んでくれました。1年生の担任になった今でも、去年の受け持ちの子どもたちが遊びに来てくれます。子どもたちとともに学級づくりに励んだ時間、やり方は間違いではありませんでした」と話します。 また、蛯谷先生は「学級力向上プロジェクトは、子どもたちと試行錯誤しながら、新しい価値を見いだす取り組み。子どもの反応を見ながら、実践を繰り返したことで、結果的に教師として驚異的な成長を遂げてくれました」と述べます。 今後、全国の公立小中学校で、ベテラン教員の大量退職がピークを迎えるとともに、経験の浅い新規採用教員がさらに増えることが確実です。教員の多忙化、さらには教育内容の多様化が一段と進む中、学級力向上プロジェクトは若手教員養成の有効策といえるでしょう。全国の教育現場でさらなる活用・実践が期待されます。学級力レーダーチャート。回数を重ねるごとに数値が向上18 ◆ 季刊理想 2017 秋号