ブックタイトル季刊理想 Vol.117

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概要

季刊理想 Vol.117

第11回「プリントコミュニケーションひろば」最優秀賞・理想教育財団賞授与式通信が生徒に自信を与え、部の一体感を醸成 7月3日、第11回「プリントコミュニケーションひろば」最優秀賞・理想教育財団賞を受賞された川崎市立橘高等学校定時制の中島克己先生(橘定スポーツBaseBall)への授与式が同校で行われました。式には審査員を代表して、冨安敬二立教大学名誉教授、吉成勝好新聞教育支援センター代表、酒井純司理想教育財団専務理事が出席しました。 今回の審査を振り返り、冨安名誉教授は「最優秀賞のご受賞は、インパクトがある写真の活用、効果的なレイアウトなど、中島先生のエディターとしての高い力量の結果。部活動通信ということもあり、全国大会を目標に頑張る『パッション』の部分も高く評価されました」と述べました。対して「部活動通信は、部員たちの『自己肯定感』を高める手段の一つ。何気なく行った好プレーなどもふんだんに取り上げることで、自分もやれるんだという気づきを与えるとともに、部員同士が認め合い、共感し合う雰囲気をつくりたいと考えてきました。また、写真を撮影してくれる『球場カメラマン』など、部員以外でも多くの生徒を巻き込んで、通信の発行、部活の運営を行っています。こうした活動全体が部の一体感を生み出すとともに、部員一人ひとりの意欲や継続力を高めています」と中島先生。併せて小平智足校長先生は「熱いパッションの部分が、部員たちを突き動かしたのは事実。部員たちの頑張りは、結果的に周囲の生徒にもよい影響を与えています」と強調しました。生徒たちの素直な反応が、発行の原動力 続けて吉成代表は、「私が感銘を受けたのは、学校生活の充実がよりよい野球部をつくり、よい野球部の活動が学校生活の充実にもつながるという指導方針。部活動の教育的意義についての中島先生の考え方は通信にも貫かれています」と指摘。中島先生は、「野球部を強くすること自体が目的ではありません。勝負事ですから、勝ち負けはありますが、大事なことは毎日の練習を含めたプロセス。今回は、同好会から部の創設に至る過程も丁寧に記録に残してきましたし、『部への昇格のためには、毎日の学校生活もしっかりしなければいけない』と日々指導してきました」と述べました。 最後に、今後の展望について中島先生にお聞きすると「微笑みながら読んでくれたり、『先生、もうできた?』と聞いてくれる部員や生徒の存在が発行の原動力。通信は週刊ですが、共に活動していると、ネタに困ることはありません。17年間に及ぶ小学校教員時代から継続して通信を発行してきましたが、自分が今任されている環境をより充実したものにするための一手段として、これからも発行し続けたいですね」と語りました。酒井専務理事からトロフィーを受け取る中島克己先生通信と教育をテーマに幅広く懇談左から吉成勝好新聞教育支援センター代表、中島克己先生、小平智足校長先生、冨安敬二立教大学名誉教授、酒井純司理想教育財団専務理事たちてい季刊理想 2015 秋号 ◆ 21