ブックタイトル季刊理想 Vol.117
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季刊理想 Vol.117
東日本大震災・被災校のいま⑦きめ細かな学習環境を実現 東日本大震災以降、臨時休業を余儀なくされた葛尾村の村立小中学校(葛尾小、葛尾中)。三春町から校舎の貸与を受けて、学校再開を実現したのは、震災から2年が経過した平成25年4月のことでした。現在、小学校は10名、中学校は11名が同じ校舎で学んでいます。「小学校、中学校いずれも、震災前に比べて、大幅に児童生徒数が減少しました。村としても大きな課題ですが、何とか少人数教育のメリットを生かし、教育復興に向けて魅力ある学校づくりを行っていきたいと考えています」と語るのは葛尾中学校の武口校長先生。その言葉通り、小・中学校とも、村の教育委員会の支援を受けて、ICT教育の推進(電子黒板の導入、タブレット型震災から2年を経て学校再開小中連携、他校交流で社会性を育む日頃から小・中連携を推進 子どもたちの減少を受けて、小・中学校が共に力を入れているのが、社会性を育む環境づくりです。「小学校では、同学年とのかかわりをなるべく増やしていこうと、他校との交流学習に力を入れています。特に、近隣の富岡第一・第二小学校や川内小学校、岩江小学校と体育の授業や学校行事を合同で行っています」(葛尾小学校・芳賀校長先生) さらに、小・中学校が同じ校舎内で学ぶ特徴を生かして、日頃から幅広く連携。入学式や学習発表会(スクールフェスタ)、村民運動会などのイベントは、小・中合同で実施します。芳賀校長先生は「時には互いの授業を見合うなど、先生方は小学校、中学校にとらわれず、村の子どもたちをみん葛尾小学校・芳賀実校長先生葛尾中学校・武口 隆行校長先生福島第1原発事故により、全村避難が続く福島県葛尾村。村立の小中学校は2年間の臨時休業を経て、村役場の移転先である同県三春町で再開しました。震災後の学校の歩みや現在の教育活動などについて、葛尾村立葛尾小学校の芳賀実校長先生と、同葛尾中学校の武口隆行校長先生にお話をお聞きしました。端末の全児童生徒への配付、ICT支援員の配置)、ALTの配置による外国語教育の充実、放課後の学習支援など、きめ細かな学習環境を整備。その結果、以前に比べると各学年、意欲的に学習活動に取り組むようになりました。「さらに当初は、環境の変化に伴い、学校運営上、様々な課題がありましたが、生徒一人一人の力を引き出す学習指導や生徒指導に努めた結果、年を追うごとに解消していき、子どもたちは充実した学生生活を送っています。さらに小規模校でありながら、子どもたちは部活動にも熱心。全員参加の陸上部では、今年2人が県大会に出場しました」(武口校長先生)季刊理想 2015 秋号 ◆ 17