ブックタイトル季刊理想 Vol.122

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概要

季刊理想 Vol.122

全国広島県五日市南国語A 国語B 数学A 数学B国語A国語B数学A数学B全 国75.666.562.244.1広島県76.667.962.144.8五日市南78.370.864.849.7全国広島県五日市南国語A 国語B 数学A 数学B国語A国語B数学A数学B全 国79.451.067.459.8広島県80.150.968.460.5五日市南78.850.866.962.7平成 26 年度 平成 28 年度季刊理想 2016 冬号 ◆ 15神垣先生は学級力向上プロジェクトの模様を学級通信などで広く発信休みにクラス全員でドッジボールを行うクラスも出てきました。これまでには考えられなかったことです」 また、スマイルタイムではクラスの「課題」ばかりに着目すると、生徒たちが自信をなくすこともあることから、併せて学級の「売り」(長所)をクラス内で共有することも徹底。「生徒たちのモチベーションアップにつなげることができました」(神垣先生)。はがき新聞で考えが定着 同中学校ではスマイルタイムの後には、必ずはがき新聞を作成。自分の決意や感想を文字にすることで、より考えが定着します。「1年生は全員、国語の時間ではがき新聞の書き方の指導を受けます。題字や見出し、レイアウト(記事は3つ)はもとより、誰に読ませたいのか、相手意識を明確にして書くことを重視させています」 書き上げたはがき新聞はレーダーチャートやスマイル・アクションの内容とともに、教室内に掲示。生徒の自覚を高めたり、クラス内の連帯意識を高めることにもつながりました。 同中学校では学活の時間を活用し、アンケートの実施からはがき新聞の作成までの一連の取り組みに、3時間を充当。年間1、2年生はこれを3回、3年生は2回繰り返すほか、その模様を学級通信などで積極的に保護者にも発信するクラスもあります。学級力を通した小中連携も視野に 学級力向上プロジェクトを実施して今年で3年目。その効果は驚くべきものがあります。その一つが学力の向上です。平成28年度全国学力・学習状況調査(3年生)の結果を見ると、国語A、国語B、数学A、数学Bの平均得点はいずれも全国・広島県平均を上回りました。学級力向上プロジェクトを本格導入した平成26年度にはおおむね全国平均と同程度でしたから、この2年ほどの間に、生徒たちはめきめきと力を付けていることが分かります。(図3参照)。 藤川校長先生は「以前は県内有数の進学校への合格者はわずかでしたが、昨年度は7名が合格。やはり、安心できる学級づくりが奏功したのだと思います。部活動でも多くの生徒が好成績を残しています」と近年の成果を紹介。神垣先生も「プロジェクトと並行して、協同学習を取り入れた授業づくり、良質なコミュニケーションを意識した予防的生徒指導などにも取り組んだ相乗効果が目に見える形で表れてきました。3年間継続してきてよかったというのが実感です」と振り返ります。 今後の抱負については、学級力を通した小中連携の推進が重要になると藤川校長先生。「現在でも、当校に通うことになる学区の2つの小学校に向けて、生徒たちがはがき新聞で『学校紹介』を行う取り組みをしていますが、非常に好評です。今後は小中連携をさらに活発にするためにも、小学校の段階で学級力向上プロジェクトが推進されるよう、来年度から具体的な取り組みを進めていきたいと考えています」図3)全国学力・学習状況調査(3年生)