ブックタイトル季刊理想 Vol.122

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概要

季刊理想 Vol.122

スマイルタイムでの話し合いの様子14 ◆ 季刊理想 2016 冬号学校を挙げた推進体制の構築 五日市南中学校の取り組みの特徴は、学校を挙げて全学年・全クラスで実施する体制を整えたところにあります。そのけん引役を担ったのが研究推進委員長の神垣幸一先生です。「心がけたのは、教師の個人差が生じないよう、教員任せにせずに、統一した方式で進めること。そのため、このプロジェクトを学校の教育課程に位置付け、どの担任であっても同じ水準で実践できるよう、研究推進委員会を中心にバックアップ体制を整えることに腐心しました」 プロジェクトを学校全体で進める際に、大きなハードルとなったのがスマイルタイムの進め方でした。教職経験が浅い、若手職員を中心に、どのように話し合い活動を行えばいいのかイメージできないという声が寄せられたのです。そこで、同中学校では田中博之先生による直接指導も含め、「スマイルタイム」の授業展開の仕方を学ぶ「授業研究会」などの研修会を複数開催。また、神垣先生自身も他県の実践校を訪ね、その取り組みを校内に広める役割を果たしたほか、プロジェクトの事前準備や、学級力レーダーチャートの分析などを学年で行う体制も整備しました。「当初は教員にとっても負担だったかもしれませんが、学級内が落ち着いてくれば、教員も安心して授業が行えるなどメリットも大きい。次第に、職員室でも、教員同士で進行状況や具体的取り組みについて交流する姿が見られるようになってきました」クラスの雰囲気が明るいものに 初めのうちは、同プロジェクトを定着させることができるか、子どもたちが意欲的に参画してくれるか大いに不安もあったようですが、それは杞憂に終わったとのこと。生徒たちは自ら理想の学級づくりに熱心に取り組むようになりました。 神垣先生は「アンケート結果を生徒たちが自ら見て、自己評価につなげられるところが、『Q‐U』や『アセス』などの教育手法とは異なる、学級力向上プロジェクトの魅力の一つ。『クラスの子たちは、こんなことを考えているんだ』ということが、視覚的によく把握できるし、『では、どうしたら課題を解決できるのか』について、自然と頭をめぐらすようになるのです」と話します。さらに藤川校長先生も「学級力向上プロジェクトを始めてから、クラスの雰囲気が明るくなってきましたね。地域の方からも生徒の様子がよくなってきたとお褒めの言葉をいただくようになりました。中には男女の協調性が足りないという課題解決のために、昼学級力向上プロジェクトの一環で、生徒たちははがき新聞を作成。小学校に向けて、はがき新聞で「学校紹介」を行うことも学校と法律<第33 回>弁護士 神谷 信行学級力向上プロジェクト実践校紹介神垣 幸一先生