ブックタイトル季刊理想 Vol.119

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概要

季刊理想 Vol.119

第4回理想教育財団教育フォーラム開催●特別講演●第1部 特別講演学習指導要領改訂の方向性 ―アクティブ・ラーニングとは―文部科学省初等中等教育局 視学官 田村 学 先生 2016年1月24日、理想教育財団は東京都内の時事通信ホールにて、第4回となる教育フォーラムを開催いたしました。教育関係者を中心に、全国から約250名もの方々がご参加いただく中、約4時間にわたって特別講演と基調講演、シンポジウムを展開。学習指導要領改訂の方向性、注目が集まるアクティブ・ラーニングの展開やはがき新聞との関連性など、さまざまな教育課題について具体的に議論を深める機会となりました。ここでは各講演やシンポジウムの発言の要旨をご紹介します。 変化の著しい未来を生き抜く力を子どもたちに 現在、文部科学省では、新しい学習指導要領についての議論を行っています。本日は、まず昨年の8月26日に、教育課程企画特別部会が示した論点整理をもとに、その内容をご紹介していきたいと思います。 論点整理のキーワードは「社会に開かれた教育課程」「育成すべき資質・能力」「アクティブ・ラーニングの視点による不断の授業改善」「カリキュラム・マネジメント」の4点です。 この4点を背景に、アクティブ・ラーニングと、カリキュラム・マネジメントの連動によって、「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」「何を知っているか、何ができるか」「知っていることを、どう使ってよりよい人生を送るか」といった3つの柱の実現を図っていこうというのが全体の方向性です。 文部科学省としては、子どもたちが活躍するであろう2030年の社会はどうなっているのか、その未来の社会に向けて、子どもたちはどのような学習活動をしていくべきなのかという点を視野に入れながら、次期学習指導要領における議論を進めています。 社会が大きく変わる中で、現状においても、実施されている教育と社会の要請との間に大きなズレが生じています。例えば、大学・大学院(文系)への期待として、約3割の企業が「チームを組んで特定の課題に取り組む経験をさせること」を挙げていますが、実際には4%の大学・大学院しかこの点に注力していません。 さらに、保護者の皆さんの意識も大きく変わってきています。学校教育に対する保護者の意識調査(朝日新聞・ベネッセ教育研究開発センター)によると、「受験に役立つ学力」よりも、「課題を発見する力」や「主体的に行動する力」などを重視していることが分かります。加えて同調査では、「教科に関する知識」に比べて「社会で活用できる力」の方を保護者が重視している実態も浮き彫りにしています。一つ一つの知識を暗記することも大切ですが、それ以上に、実社会で活用できる力をこそ育ててほしいと保季刊理想 2016 春号 ◆ 3