ブックタイトル季刊理想 Vol.119

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概要

季刊理想 Vol.119

季刊理想 2016 春号 ◆ 17はがき新聞活用レポート● 明治18年創立と、130年以上の歴史を有する茨城県神栖市立太田小学校。「元気で 心豊かな知恵のある子」を教育目標に、現在は213 名の児童が学んでいます。同校では3年前からはがき新聞を導入、書く力の向上など、さまざまな教育効果が上がっています。まずは書き慣れることを重視 3年前から「はがき新聞」を導入した茨城県神栖市立太田小学校。特に昨年度は5年生を受け持っていた幡明枝先生(今年度は教務主任)を中心に、本格的に授業で活用しました。文章の読み書きに苦手意識を持つ子どもたちが少なくない中、まずは継続的に文章を書く機会を与えたいとの思いからの実践だったと言います。「NIEの指定を受けていた本校では、それまでもA4サイズの新聞作成に取り組んでいたものの、文章を書くことが苦手な子どもたちにとっては、サイズが大きすぎて、紙面を埋めるだけで精一杯。完成に至らない子どもも少なからずいました。そんなとき、はがき大のサイズで、書くスペースも少ない、はがき新聞の存在を知って、これはぜひ取り入れてみたいと考えたのです」(幡先生) 初めのうちは、文章量を全体のスペースの3分の1程度に抑え、書き慣れることを重視。ある程2年間にわたり継続的に「はがき新聞」を作成課題だった書くことの苦手意識を払拭できた茨城県神栖市立太田小学校幡 明枝先生度枚数を重ねてからは、文章量をアップするなど、子どもたちの習熟度に合わせた紙面づくりを目指しました。「実践の初期段階は、文章量が少ないにもかかわらず、なかなか筆が進まない子どもも多かったのですが、次第に意欲的に書く子どもが増えるとともに、書くスピードも目に見えて上がりました。反復学習の効果が表れたのではないかと思います」狙いを明確にした上で実践することが大事 昨年度、子どもたちが1人当たり完成させた「はがき新聞」は10枚以上に及びます。その内容も、教科学習や行事、さらには校外の講師を招いた各種体験学習のまとめなど、バラエティ豊か。その都度、「お世話になった方に感謝の気持ちを伝える」「行事を振り返っての感想をまとめる」「体験学習の内容をまとめる」など、狙いを明確にさせて実践させたと言います。「いくら『はがき新聞』は書きやすいといっても、ただ反復的に書かせるだけでは、子どもたちの『やらされ感』が大きくなるだけ。モチベーションを挙げるためにも、どの授業で、何を書かせるのか、その目的を教員側がしっかりともつことが大事です」 一方で、幡先生が力を入れたのが、読む相手を意理科の「春を見つけよう」のまとめ宿泊学習を振り返って右は初めて作成した作品。文章量を全体の3分の1程度に抑え、書くハードルを低くした。その後、徐々に文章量を増やすとともに、レイアウトなども自由形式にし、児童自ら工夫させるようにした。22