第7回「プリントコミュニケーションひろば」最優秀賞受賞者インタビュー

読んで楽しい、書いて面白い紙面づくりを追求
これからも「読まれる」工夫を目指したい。

滋賀県立彦根翔陽高等学校 神崎 善明先生

制作データ 紙面のサイズ:B4/毎号のページ数:1ページ/モノクロ印刷/発行部数:40 部/配布対象:生徒

――受賞のご感想をお願いします。

 一言でいえば「まさか」という気持ちです。受賞の知らせを聞いて、全国で多くの先生が素晴らしい通信をつくっておられるのに、「なぜ自分が」と驚きました。

――通信をつくる際に、心がけていることはありますか?

 私が目指すのは「読まれる通信づくり」です。一方的に自分の意見を伝える「説教通信」、連絡事項のみを記す「連絡通信」では読む方もつらいし、書いていても面白くない。読者はどういう情報を求めているのかを念頭に、記事の構成を考えています。メインの記事は固くても、肩の力を抜いた柔らかい記事、生徒の日々の活動が分かるような生き生 きとした記事を盛り込むなど、メリハリのある紙面を目指しています。

――4コママンガが印象的です。

 これも、読まれるための工夫として始めました。文字を読むのが面倒でも、マンガだったら読んでくれるだろうと思ったのがきっかけです。
 また、内容面だけでなく、見やすさ・読みやすさも「読まれる」ための重要な要素の一つです。読者をひきつける見出しの付け方、読みやすいレイアウトも、常に追求しています。レイアウトはどうしてもマンネリ化しがちですから、新聞から参考になるレイアウトを探したりしています。
 あと、原則として月曜日発行を守っています。定期発行にすると、「あ、今日は通信の日だな」と思ってもらえますから。これも読んでいただく工夫です。

――通信の役割についてはどのようにとらえていますか?

 円滑なホームルーム経営の仕掛けの一つと位置付けています。日々の出来事、学園祭、進路選択。その時々に合わせた記事を載せることで、生徒の意識づけを図ることができます。
 また、保護者とのコミュニケーションツールとしての役割も見逃せません。どうしても高校生になると学校の出来事を家庭で話すことが少なくなります。通信を読むことで、学校の様子がよくわかった。記事を話題に、親子で会話をするようになった。実際にそのようなことを話していただく保護者もいます。うれしい限りです。

――今後の抱負をお聞かせください。

 もう通信を作り始めて20 年以上になります。当初はB5判・手書きというスタイルでしたが、先輩からのアドバイス、新しい機器などとの出会いもあり、現在のスタイルが生まれました。これからも、いいなと思えるものがあれば、躊躇することなく取り入れて、さらに読まれる通信を目指したいと考えています。

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