(連載コンテンツ)今日から始めるはがき新聞づくり

(12) 中学校の実践事例2:行事で団結・連帯するための実践

(2017年12月公開)

対象:中学校2年生(広島県福山市立向丘中学校 教諭 飛田 美智子 さん)

注)報告者の所属学校名は、レポート作成当時のもので、現在と違っている場合があります。

はがき新聞導入の狙い

はがき新聞の実践により「論理的に思考したり表現したりする力」、「人間関係を豊かにする力」、「美的感覚を豊かにする力」、「言葉の使い方を学び合う力」、「自分を振り返り、行動につなげる力」を身につけられると考えました。

具体的には以下のような狙いと活用法を念頭に置きました。

  • 相手意識や目的意識をもち、書く内容を整理して、論理的に筋道を立てて書く力をつける。
  • 行事や学習のまとめとして活用する。
  • 友達の作品から学び合う姿勢をつくる。

生徒から見たはがき新聞の良さ

実際にはがき新聞の作成を行った生徒の側からは次のような意見が出ました。

  • 見出しの表現を考えたり、短くまとめたりすることで書く力がつく。
  • 友達の作品と比べることで、自分のないもの(分析内容や表現等)を発見し、学べる楽しさがある。
  • 人がどのように考えているか理解できる。
  • すらすら書くことができなくても、出来上がったときには達成感がある。
  • 人に読んでもらえるのが嬉しい。

はがき新聞作成の留意点

生徒に対しては次のような点に留意して、はがき新聞づくりを指導しました。

  • はがき新聞を見せる相手や目的をはっきりさせる。
  • サンプルやワークシートを示し、はがき新聞の書き方を理解させる。
  • 写真の切り抜きを貼ったり、色ペン等を使ったりしてカラフルにさせる。
  • 新聞の題名や見出しの表現を工夫させる。
  • テーマによって書き方の条件設定を行い、言葉の力をつけさせる。
  • 短時間で書かせる。

はがき新聞の種類と指導のポイント

テーマ条件留意点
①楽しもう 運動会のクラスでの頑張りをまとめよう。

◎何をどのように学級として頑張れたかを具体的に書く。

◎色鉛筆や色ペンを楽しく使う。

◎先輩のはがき新聞を参考にして、新聞名・見出し・記事・色の使い方等の基本的な書き方を理解させる。

②見てもらおう 学級のよいところを知らせよう。

◎記事の内容を2つ以上にし、簡潔に書く。

◎見出しの表現を工夫する。

◎自分の学級のいいところをしっかり自慢する。

◎学級力アンケート(1回目)を参考にさせる。

◎読む相手は学級以外の人(校長先生や外部の人)も読むと設定する。

③参考にしてもらおう 中学校生活を紹介しよう。

◎小学6年生へ向けて、中学生活での発見や小学校との違いを伝える。

◎相手が必要な情報を選ぶとともに見出しも工夫する。

◎相手が読みたくなるレイアウトを考える。

◎説明文等で学習した「筆者が読者を引き付ける表現」を参考にさせる。

◎「中学生になって発見したこと」というスピーチ教材とリンクさせる。

④分析をまとめよう 学級の状況を分析したことをまとめよう。

◎事実と意見を区別して書く。

◎分析したことを、資料や数値などの根拠をあげてまとめる。

◎結論先行で書く。

◎学級力アンケート結果を前回と比較させたり取り上げる項目を絞ったりするなど、論理的なまとめ方を意識させる。

生徒たちの学級経営への参画意識

生徒一人一人が学級経営に参画することが、クラスの全員が理想とする学級をつくることにつながります。はがき新聞づくりによって、生徒たちがどのように学級経営に関わり、どのような意識を抱くようになったかを紹介します。

1)学級について客観的に見つめ、関わろうとする意識

◎自分の学級の状況を認識し、なぜそのような状況になったかを考えられた。
◎学級力のレベルアップしたところを考えられた。
◎学級の改善すべき点が見えた。
◎学級の良いところを見つけ、どんどんはがき新聞に書いた。
◎学級の課題を解決するために何が必要かを考えさせられた。
◎自分たちが達成できた学級力の力を生かし、来学期につなげたいと思った。
◎学級の課題と良い点を見つけ、新たな目標に向けて頑張りたいと思った。
◎どんなことを書いたら、みんなの役に立つかを考えた。
◎良いところを続け、改善すべきところを直すように努力したいと思った。

2)お互いに学び合おうとする意識

◎友だちの新聞を読み、自分が気づかなかったこともわかりやすく理解できた。
◎繰り返し読むことで、クラスの一人一人の思いがわかった。
◎みんなの思いがわかるとともに、一人一人の表現の違いや良さもわかった。
◎みんなの作品を読み比べ、学級の改善点が見つけられた。

はがき新聞サンプル

3)自分や学級の成長を喜び合おうとする意識

ここに紹介するはがき新聞は校内の駅伝・ロードレース大会を終えた後に書かれたものです。この行事のために立てた目標は「一人一人がベストを尽くし、学級が団結する」。これが団結を示す最後の行事でもあり、「団結する」とはどういうことなのかを、1年間かけて考えさせたのです。
 頑張ることができた後の自分の成長を想像しつつ、たすきをつなぐ責任の重さを自覚する――そのようなプレッシャーと戦う生徒も数多くいました。まず一人一人が全力を出すことが学級のためになることに気づき、さらに友達のために自分は何ができるかを考え始めた頃からクラスのムードが変わりました。
 それは見出しの表現やイラスト、色使いにも出ています。たとえば、クラスカラーである黄色のテープに決意を書き、学級全員で腕に巻いて心につなぐ走りをすることを目指したので、そのイラストが多く使われました。「走れR23新聞」や「協力新聞」などの新聞名も、団結した喜びが素直に表現されています。
 はがき新聞を通して友達の思いを理解し、さらに学級の絆を深めることができました。

はがき新聞サンプル

はがき新聞サンプル

(13) 中学校の実践事例3:年間計画に基づいた取り組みに続く

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